沖縄に電車がない理由には、大きく
・歴史的な面での理由
・地形的な面での理由
があげられます。
ゆいレールが開業するまで、日本で唯一電車のない県と言われた沖縄ですが昔は電車が通っていたんです。
その後の太平洋戦争で線路や車両が全て壊され戦後のアメリカ統治時代に修理されることはありませんでした。
アメリカで普及していた車文化が沖縄でも広がっていき、日本へ返還されてからも電車が復旧することはありませんでした。
この記事では
・沖縄には電車は走っていないのか
・沖縄にはモノレールしかない理由
・沖縄に鉄道はあったのか
・沖縄はなぜ車社会なのか
などについて、その背景や理由を詳しくご紹介します。
沖縄に電車がない理由
沖縄に電車が入っていなかった理由には
・歴史的な背景
・地形的な背景
・経済的な背景
など様々な理由が挙げられます。
それでも2003年にはゆいレールが開業し、今では朝から観光客と地元の通勤・通学客で混雑している状況です。
名護まで電車を通すことを考えるとモノレールでは難しいと思うのでまた新たな鉄道が導入される可能性もあります。
2025年には沖縄本島北部に新しいテーマパークが開業することが決まり、観光にも県民にも便利になるのでぜひ鉄道の導入を実現してほしいと思います。
沖縄に電車がない理由:歴史的な背景
沖縄には昔鉄道が通っていた
日本で唯一電車のない沖縄と言われていましたが、実は沖縄には昔は電車が通っていたんです。
あまり沖縄について詳しくない人にこのことを言うと結構驚かれたりします。
沖縄では日本各地で鉄道建設が始まった頃の1914年からの10年間で
・貨物専用を含めた4つの県営鉄道
・2つの民営鉄道
が開通しました。
さとうきびを運んだり、人々の生活を支える移動手段として重要な鉄道でした。
その後、沖縄でも路線バスが走り始めると民営鉄道は利用客が減っていき廃業します。
それから沖縄の県営鉄道は軽便鉄道として親しまれていきました。
今は、ネオパークオキナワで模型の展示が見られたり再現車両に乗って園内をまわることができますよ!
沖縄に電車がなくなった契機となる戦後のアメリカ統治
沖縄で親しまれていた軽便鉄道は、太平洋戦争の際に沖縄本島が戦場となった時に線路や車両が破壊されてしまいました。
戦後のアメリカ統治時代では、鉄道の再建も検討されたようですが最後まで実現しませんでした。
アメリカではその時すでに自動車が移動手段として利用されていたため、沖縄でも自動車文化が進んでいきました。
その後1972年に沖縄県は日本に返還されましたが、鉄道が普及することはありませんでした。
もうすでに戦後の街も出来上がっていたところに新たに鉄道を作ることはなかなかできることではないですよね。
1人1台?電車がないため車社会の沖縄
沖縄では、一人一台持っていると言ってもいいほど車社会と言われています。
電車がないことによって、車を使うことが普通になってきた沖縄にとってそれまでなかった電車の必要性も低くなってきたのかもしれませんね。
縦に長い沖縄を電車なしで移動するには車は必要不可欠と言えます。
沖縄に電車がない理由:地形やそれに伴う経済的な背景
沖縄の地形の問題
沖縄県の地図を見るとその地形は縦に細長いです。
さらに住んでみると実感するのですが、地方へ行けば山が多く都市部でも高低差があるんです。
さらに、人口の集まる地域が点在しているので駅を作るのもどこに作るかが大変です。
高低差があったり山のある土地に線路を作るには、トンネルを掘ったりするのにお金も時間もかかります。
沖縄に電車を作るための経済的な問題
沖縄の地形を考えると、電車を通すにはコストがかかることが考えられます。
さらに、電車を作るには収益の面も考えなくてはなりません。
すでに車社会の沖縄で電車を利用する人がいるのか?
電車での収益を上げるには観光客だけでなく地元の人にも電車を利用してもらう必要がありますが、生活の移動手段として利用してもらうならどこに駅を作るのか?
電車を作っても利用する人が少なければ、赤字になってしまいます。
電車がない沖縄にゆいレールが開通!
2003年にゆいレール開業
さまざまな理由で電車のなかった沖縄で2003年ついに「ゆいレール」が開通しました!
沖縄に電車がなくなってから58年ぶりのことです。
はじめは2両だったゆいレールも現在は3両編成となり、那覇空港から首里までだった区間も首里より先のてだこ浦西駅まで延伸しています。
さらに、Suicaなどの交通系ICも使えるようになってきました。
ゆいレールの課題
今では利用客も増えてきているゆいレールですが、まだまだ利用区間が短いのが現状です。
そのため、普段の交通手段として利用できるのは限られた県民と観光客と言うことになります。
さらに、モノレールはあまりスピードも速くないのでこのままゆいレールを名護まで伸ばすのは現実的ではない気もします。(一体何時間かかるのか?)
通学・通勤手段としても時間がかかるなら車の方が早いとなりますよね…
沖縄に電車が通ると期待できること
沖縄での車の渋滞が緩和される
沖縄では車社会のため、通勤・通学に車を利用している人も多く道路が混雑することがよくあります。
雨の日や、朝と夕方の通勤帰宅時間はいつも道路は混んでいますね。
さらに、観光シーズンも重なると観光客のレンタカーも増えるため渋滞が起こります。
電車がないことで車を利用している人も多いため、電車があれば交通渋滞が緩和されることが期待できます。
電車ができる事で環境問題の改善
電車が出来て、車に乗る人が減れば排ガスや騒音問題も減ることが期待されます。
海のサンゴなどの自然を守ることも大切ですが、そのほかの自然環境を守る事にもつながりますね。
観光産業のさらなる発展
沖縄は観光業が盛んな県で、1年を通して多くの観光客が来ています。
電車があれば、移動手段が増えるので免許を持っていない人でも気軽に来られるようにもなります。
縦に長い沖縄を、北から南まで電車で移動できるようになれば途中下車できる新たな観光地も発展していくかもしれませんね。
私も沖縄に住んでいるのにペーパードライバーのため、電車が出来たら行動範囲が広がるので嬉しいです。
車を買う必要もなくなり、子育て世代にも助かる
沖縄では、大学生でも車で大学に通うケースもありますが実際は車を運転するには免許を取るにしても車を購入するにしてもお金がかかってしまいます。
電車があれば、今よりもっと公共交通機関を使いたいという人が生活しやすくなり親も助かります。
さらに、沖縄に住んでみると分かるのですが子育てに車を使う場面がとても多いです。
小学校から車で通学する子がいたり、中高生になっても子どもの学校や習い事だけでなく遊びの送迎まで親が車ですることが多くて驚きました。
電車があれば、子どもも自分で通学したり遊びに行ったりできるだけでなく電車に乗るマナーも身につけられます。
我が家の子どもは、沖縄に引っ越す前は電車好きだったのですが沖縄に来てからは電車に乗る機会も減ってしまい残念がっていました。
沖縄での今後の鉄道導入について
沖縄での鉄道導入については、さまざまな課題がある中でも、その実現に向けた議論が今でも続いています。
莫大なコストや課題を抱えながら国や地方自治体の支援だけでなく地元住民や観光業界の理解と協力も重要です。
沖縄での新たな鉄道が開通するには長い時間がかかるかもしれませんが、ぜひ実現してほしいと思います。
沖縄に電車がない理由のまとめ
ゆいレールができるまでの沖縄に電車がなかった理由には、大きく歴史的な原因と地形、それにともなう経済的背景などさまざまな理由があります。
電車が通ることによってメリットもたくさんあるので、いつか沖縄に電車が通る日を楽しみに待ちたいと思います。
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